Shinanjo Dental Clinic Blog

2016年10月 3日 月曜日

歯が白くなっている!これって虫歯?~脱灰と再石灰化~

こんにちは!
新安城歯科スタッフの長房です。

10月に入りましたね。
夜や朝方に肌寒く感じるようになってきました。
気温の変化についていけず、体調崩されたりしていませんか?
油断して風邪をひいてしまわないように気を付けたいですね(>_<)



さて、今回のテーマは

【脱灰(だっかい)と再石灰化(さいせっかいか)】

です。

『歯の再石灰化』という言葉はテレビCMなどで耳にしたことがある方が多いと思います。
一方、『脱灰』という言葉はどうでしょう?

初めて聞いた!!

という方がほとんどだと思います。

歯に歯垢ではないのに白くなっているところはありませんか?
それは『脱灰』かもしれません。


では、

『脱灰』と『再石灰化』

この二つについてお話していきます!!





エナメル質が溶ける『脱灰作用』


私たちの口の中には様々な細菌が棲んでいます。
むし歯の原因菌『ストレプトコッカスミュータンス』もその一種です。
ミュータンス菌は、主として炭水化物や砂糖を原料としてネバネバした、水には溶けない物質を作り、その中で酸をつくり出しています。
その酸によってお口の中が酸性に変わると、歯のエナメル質からカルシウムやリンがどんどん溶け出していきます。
そして歯に点状や線状の白い部分ができていきます。
これを『脱灰』と言います。
脱灰は初期の虫歯とされていますが、歯を削って治療することはあまりなく、大きくなっていかなければ経過観察になることが多いです。
しかし、脱灰の状態が続くと歯に穴があくくらいの虫歯になってしまうこともあるので、注意が必要です。
また、乳歯のエナメル質は永久歯に比べて厚さが1/2程度と薄く、硬度が低いので、脱灰の影響を受けての虫歯になりやすいとされています。






エナメル質を修復する『再石灰化作用』


通常、お口の中の唾液のpHは弱アルカリ性から中性(6.7pH)に保たれています。
食後、食べ物が口に入ってきたことでお口の中は酸性(4.0pH近く)に傾きます。
そして、しばらくすると唾液のもつ中和する働き(緩衝能)によって徐々にpHが元に戻ります。
さらに唾液の中に含まれているエナメル質と同じ成分であるカルシウムやリンが、歯の表面に戻ってきます。
これを『再石灰化』と言います。
さらに再石灰化現象では、溶かされた歯の表面のエナメル質を、ただ元に戻すのではなく、結晶構造を変化させて、溶ける前の歯よりも硬くて虫歯に強いエナメル質に変化させることが出来るとされています。
この再石灰化により脱灰が修復されていきます。


















お口の中では食事をする度に『脱灰』と『再石灰化』が行われます。
この二つの作用のバランスが崩れ、脱灰の方向に傾けばむし歯が進行します。
むし歯を防ぐためにはダラダラ食いをやめ、規則的な食事習慣によってお口の中を酸性にする回数をできるだけ減らしましょう。
また、フッ素を活用したり、歯磨きができない時はキシリトールガムを噛み唾液の分泌を増やして再石灰化を促進させます。














脱灰(初期虫歯)も再石灰化がしっかり行われれば、治療せずとも進行を防ぐことが可能です。
少し意識して、お食事やケアなどしてみてはいかがでしょうか(*^^*)?





新安城歯科スタッフ 長房






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